5月の新緑麗しき頃、神奈川県の藤野町に工房を構える「家風」をお訪ねしました。
「家風」代表を務める黒田啓志さんは、言います。
「家風」の椅子は、「家具」というよりは、もうちょっとラフなもの、
「雑貨」といってしまってもいいくらい。
「家風」がこの小さな椅子を作り始めたのは、ひとつの「ベンチ」がきっかけになりました。
一番最初に作り始めてから2〜3年もの間、実際にお客様の反応を見ながら試行錯誤を
繰り返して辿りついたのが、高さ410mm前後の「小ベンチ」。
このサイズだと、玄関に置いておけるため、靴を履く時にちょっと腰掛けて使っている方が
大半だったそうです。
そのうち、もうちょっと遊びがあるものを・・・という要望に応えて生まれたのが
音符をモチーフにした「小椅子#1-a」です。
その後、「しんしんと降る雪」、「空に上がるシャボン玉」、「上へ上へ伸びるツタ」・・・など、
あるイメージから喚起されるデザインが少しずつ増えてゆきました。
座面は「タモ」という木材、背と脚は「鉄」を加工して作っています。
原料の「鋼」。
コークスを燃やして「鉄」を曲げる。
プレス機
道具類が並んでいる姿にも美しさがあります。
溶接しているところ。
「家具」なんて肩肘張らないのだからと、お値段も手作りとは思えないほど低く設定されています。
黒田さんは、元々「現代美術家」として活動されていました。
そんな突っ走っていた時代があったからこそ、今は、社会を見据えて、人々の暮らしの中で
本当に根づいてゆくものを作ってゆきたいという思いが強くなったといいます。
これからの活動が益々楽しみです。